2020年3月5日木曜日

『文芸春秋』考 -またあの道を辿るのか?



戦前の菊池 寛は翼賛運動の一翼を担ったために、戦後公職追放になったにもかかわらず、反省の弁がなかった。それどころか「我々は誰にしても戦争に反対だ。然し、いざ戦争になってしまえば協力して勝利を願うのは、当然の国民の感情だろう」などと正当化したのだ。
しかし、菊池の『文芸春秋』は日中戦争が始まると、月刊誌なのに増刊号を毎月出して中国との戦争を煽ったのである。
戦争に反対」どころではない。煽りまくって奈落に突き落としたくせに。
太平洋戦争がはじめる半年以上も前に、『文芸春秋』(昭和16年2月号(第19巻第20号)は座談会を組み「米国の攻勢と日本の決意」とやらを煽り、さらに編集後記では
「今や真に重大時局に直面している。・・・戦うべき時至れば、大いに戦うべし、我に万全な準備ありの自信に、事態の現実を深く掘り下げる必要がある。・・・日本戦うべし」
と対米戦争に向かう流れを造っている。菊池自身も「話の屑籠」という随筆(1941年12月号)で「英米の脅喝が、何うあらうとも、一旦 火ぶたが切られたならば、わが海軍の精鋭は、太平洋はもちろんのこと印度洋南洋にわたって、驚天動地の活躍を演ずるであろうことを、我々は信じている」と述べている。
そこで高崎隆治は(文芸春秋が)戦争へジャーナリズム全体を牽引した」と書き
天皇は開戦を何度もためらっていたというのが、もし事実だとすれば、『文芸春秋』はその天皇をそそのかし、その足をひっぱったということになる。
と書いている。(『一億特攻を煽った雑誌たち』p36)
戦争を煽りまくって、何の得があるのか?
もちろん得はあるのだ。
戦争をあおることで当時の”愛国者”のハートを鷲掴みにして売上を伸ばした良心の無い雑誌。
それが『文藝春秋』だからだ。・・・・すなわち、金もうけ主義のサイコパス文芸誌である。

戦後は一時的にまともな時期もあった。だが時代がウヨクへと急降下するとやはり同じ道を歩き始める。
『文藝春秋』が訳者不詳の『反日種族主義』を出版し、(日韓相克 : 終わりなき"歴史戦"の正体)というテーマで編集したのは2019年11月号である。ついに産経化し、かつての対米戦争の代わりに、「韓国との歴史戦」とやらを煽り始めたというわけだ。
塩野七生のデタラメ慰安婦記事を指摘されても、まったく答えることも無く、そのまま『「従軍慰安婦」朝日新聞VS文芸春秋』に掲載している。一NGOが、問題を指摘しても大出版社としては無視すればよいと考えているのだろうか?

「反日種族主義」などというデタラメ本を出し、宣伝し、ウヨクさんたちがやっている歴史戦を煽ることが、何を意味するか分からないのだろうか?

徹底討論 対決か協調か : 元徴用工たちに"誰が"賠償金を払うべきか (日韓相克 : 終わりなき"歴史戦"の正体)
橋下 徹,舛添 要一

「反日種族主義」と私は闘う : 慰安婦問題を放置すれば大韓民国は崩壊する (日韓相克 : 終わりなき"歴史戦"の正体)
李 栄薫,黒田 勝弘

文在寅「特別補佐官」が大反論 安倍首相よ、なぜ韓国が敵対国なのか (日韓相克 : 終わりなき"歴史戦"の正体)
文 正仁,朴 承珉
掲載誌 文芸春秋 97(11) 2019-11 p.115-121

多分、一時的に『反日種族主義』は売れ、雑誌は売れるだろうよ。かつてそうであったように。悪魔に魂を売った引き換えに・・・だ。





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